化学と歴史のネタ帳

身近にひそむ化学と歴史を,高校までの知識をベースに解説する化学史系ブログです.

炎(15):アセチレン炎の利用

アセチレンを燃やした炎は,かなり高温で明るく輝くことが知られ,照明や溶接,分析技術などに幅広く使われました. アセチレン炎今回はアセチレンの用途を中心に,その歴史をみていきましょう.

炎(14):アセチレンの発見

1929年頃,スウェーデンの植物学者Henrik Gunner Lundegårdh (1888-1969) がブンゼンの元素分析法をもとに,炎光光度法と呼ばれる元素の定量分析法を開発しました.その際に燃料として使われたのがアセチレンです. 【参考】炎(13):ブンゼンバーナーC2H…

炎(13):ブンゼンバーナー

19世紀半ば,石炭ガスが普及したヨーロッパにおいて理科実験に欠かせない実験用ガスバーナーの原型が誕生しました. Needle valveつきのBunsenバーナー今回は実験用ガスバーナーの生みの親であるロベルト・ブンゼンを紹介しましょう.

炎(12):石炭から天然ガスへ

石炭ガスの普及により都市ガスシステムが構築されました. 【参考】炎(11):ガス灯の普及 しかし当時の技術では,石炭の燃焼によって深刻な大気汚染が引き起こされてしまいました.そこで,よりクリーンなエネルギー源のひとつとして注目されたのが天然…

炎(11):ガス灯の普及

現在お馴染みの「都市ガス」という,ガスが都市内のいろんな場所に供給されるシステムが作られたのは,石炭ガスの普及がきっかけです. 【参考】炎(10):石炭ガスガス灯の利用が個人レベルからどのようにして都市レベルまで引き上げられたのでしょうか?…

炎(10):石炭ガス

燃えるガスの本格的な利用は,石炭ガスと呼ばれるガスから始まりました.石炭ガスは,かつてガス灯としてヨーロッパで広く使われていました.現在ではすっかり廃れてしまいましたが,その普及は産業革命期を代表する重要な出来事でした. 石炭ガスにはどんな…

炎(9):天然ガスの発見

火をつけると燃える天然ガスの存在は古くから知られていました. Yanar Dag By Frokor - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=19319161しかし実際にそれが何者であるか?どうやったらコントロールできるか?といった課…

炎(8):ロウソクの発展

現在のような固く,臭いのしないロウソクが安価に作られるようになるためには,様々な技術的革新が必要でした.理想のロウソクの製造には,そもそもロウソクに使ってきた油脂とは何者なのか,明らかにされる必要がありました. 今回は化学と密接に結びついた…

炎(7):ロウソクのはじまり

『ロウソクの科学』は,1860年にイギリスの科学者ファラデー(Michael Faraday, 1791-1867)がロウソクを題材に,化学的な考え方を一般向けにレクチャーした内容をまとめた本です.現在でも,初学者が化学に慣れ親しむにはちょうど良い本として知られています…

消火のしくみ(6):ケミカル

化学反応はドライケミカルやウェットケミカルとして消火に積極的に活用されてきました.ドライケミカルについては19世紀イギリスでの発明から,様々な消化薬剤が開発された歴史を,ウェットケミカルについては調理油の変遷と消火方法の変化を解説しました.

消火のしくみ(5):泡

泡で火を消す消火剤があるのは知っていましたか?中にはタンパク質が使われているものもあるんです.石油系火災など厄介な火災で活躍する泡消火薬剤の化学的なしくみと,アゼルバイジャンの教師による発明にはじまる開発の歴史を解説しました.

消火のしくみ(4):ハロン

火災の消火に活躍していたハロンという物質をご存知でしょうか?ハロンによる消火のしくみと,それがどのように使われてきたのか,またオゾン層破壊や地球温暖化のため製造が中止されていった歴史を解説しました.

消火のしくみ(3):二酸化炭素

二酸化炭素による消火設備は1910年代からヨーロッパで普及しはじめました.二酸化炭素による消火のしくみと,炭酸泉の飲泉ブームから二酸化炭素の発見・利用の歴史を幅広く解説しました.

消火のしくみ(2):スプリンクラーの歴史

水による消火装置といえば,スプリンクラーです.火事の際に自動で散水するスプリンクラーがどのように開発されてきたのか,18世紀から現代に至るスプリンクラーの歴史を解説しました.

消火のしくみ(1):水

火事になったとき,火を消す手段としてまず思い浮かぶのは「水」です.なぜ水をかけると火は消えるのでしょうか?どんな火災にも水を使っていいのでしょうか?最新のウォーターミストもふくめて水による消火のしくみを化学的に解説しました.

マッチ(3):リンとマッチの歴史

リンの発見からマッチへの応用,そして安全なマッチの開発に至る歴史を,しくみも含め解説しました.はじめ使われていた白リンは毒性が強かったため,社会問題にも発展してしまいました.しかし開発者たちはあきらめず,やがて現在の手軽で安全なマッチの誕…

マッチ(2):点火装置の歴史

マッチの発明以前,どんな点火方法が使われていたのか?デーベライナーランプなどの忘れられた点火器具からマッチ誕生に至るまでの歴史を化学的なしくみとともに解説しました.

マッチ(1):マッチのしくみ

マッチのしくみって知ってますか?リンとKClO3の酸化還元反応が中心ですが,反応を調節するため他にもいろんな物質が使われています.今回はマッチの教科書を発見しましたので,そちらをベースに,軸木の防炎剤も含めて解説しました.

炎(5): ロウソクの炎の色

ロウソクはなぜオレンジ色に輝くのか?仕組みを解説しました。

炎(4):ガスバーナーの炎の色

ガスバーナーの炎の色はなぜ青色なのか?なぜ内側は水色なのか?しくみを解説しました。

炎(3):炎の温度の計算?

炎の温度って、実は燃焼熱(エンタルピー)から計算できるんです。