化学と歴史のネタ帳

身近にひそむ化学と歴史を,高校までの知識をベースに解説する化学史系ブログです.

浄水(6):活性炭・微生物の活用

活性炭や微生物は水をきれいにするのに役立つこともあります.
家庭用浄水器に活性炭フィルターがある場合もあるのでご存じの方も多いのではないでしょうか?


今回は活性炭や微生物が浄水にどのように使われてきたのか,歴史としくみをみていきましょう.




浄水(1):にごりをとるには?
浄水(2):ろ過の歴史
浄水(3):ろ過や塩素による消毒
浄水(4):いろんな消毒方法
浄水(5):ガスを追い出すには?
浄水(6):活性炭・微生物の活用
浄水(7):化学の力で軟水にする
浄水(8):軟水化の歴史
浄水(9):いろんな無機物の除去
浄水(10):パイプを腐食から守る
浄水(11):フッ素で虫歯予防?
浄水(12):究極の水,超純水

1.活性炭って何?

活性炭 By Self (en:User:Ravedave) - Self (en:User:Ravedave), CC BY 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1038326

活性炭はただの炭ではなく,特殊な加工により非常に細かい穴がたくさんできているのが特徴です.直径1-100 μm程度の小さいトンネルや1-100 nm程度のもっと小さいトンネルが縦横無尽に迷路のように走った多孔質な構造をしています.

そのため表面積が非常に大きいです.1 gの活性炭の表面積は500-1500 m2ほどとのことですから,その凄まじさがわかりますね.


このように活性炭は表面積が大きく,また大部分が疎水性ですので,様々な疎水性物質が非常に吸着しやすいです.浄水においては,水に溶けにくい疎水性の有機化合物がよく吸着します.トリハロメタン硫化水素H2Sなどもよく吸着します.ちなみに脱臭目的で活性炭を用いるのも,空気中の匂い物質を吸着させて取り除くためです.


では活性炭はどのように作るのでしょうか?


活性炭は炭素を含むものならなんでも原料になります.はもちろん,石炭,ピート(炭化した泥炭),リグニン,ナッツの殻,おがくず,骨などが使えます.歴史的には野菜をつかった時期もありました.


これらの原料を通常の条件で加熱すると空気中の酸素と反応して二酸化炭素を生じます.一方で空気を遮断して600℃以下で加熱すると,熱分解が優勢になります.揮発性の化合物は逃げていき,最終的に炭が残ります.これを炭化と呼びます.


炭ができたら,今度は活性化です.炭を900℃付近の高温水蒸気,二酸化炭素*1,酸素などで熱します.すると炭の一部が酸化されてCO2などガス状の化合物に変化して逃げていき,穴がたくさんできます


化学物質を使って活性炭をつくることもあります.まず木などセルロースや炭水化物を含む原料に対してZnCl2やH2SO4を加え脱水反応を促進しながら加熱することで炭化します.次に高温で加熱することでセルロース等の熱分解による活性化を行います.


活性炭は通常は粒状(0.5-3 mm)もしくは粉状(0.02-0.05 mm)につくられ,これを層にした活性炭フィルターをつくります.活性炭フィルターは,特に異臭や異味を取り除いたり微量の殺虫剤を取り除くのに使われます


有機化合物を吸着させた使用済みの活性炭は,熱処理によって再生させることができます.500℃くらいまで加熱すると低沸点であったり熱分解する有機化合物が除去され,800℃くらいまで加熱すると残りの有機化合物が炭化します.900-1000℃で加熱して賦活化したものは再製炭としてまた処理装置に戻されます.

2.活性炭の歴史

活性炭が水中の不純物を取り除くことができることは古くから知られており,紀元前2000年の古代エジプトですでに実践されていました.


活性炭は水中のガスの除去にも使用できることは1773年にスウェーデンの化学者シェーレ(Karl Wilhelm Scheele, 1742-1786) が報告しています.彼はリンの製法だったり,塩素の生成もおこなっているので,かなり手広いですね.
マッチ(3):リンとマッチの歴史

Johann Tobias Lowitz (1757−1804)

1785年には,ロシアの化学者Johann Tobias Lowitz (1757−1804)着色した水の色を透明にするのに活性炭が有効であることを発見しました.彼はもともと長い航海での水の保存方法を検討していました.水に少し硫酸H2SO4を加え*2,粉状の活性炭を加えました.すると硫酸の味もなくなり,また着色していた水も透明になったのです.ブランデーでもためしたところ,ブランデーの色も透明になりました.これらの発見により,活性炭はサトウキビや甜菜から得られた糖を精製するのに使われるようになりました.


19世紀には様々な材料から活性炭をつくる試みが行われます.例えば血液ココナッツ,小麦粉などです.Ostrejkaは野菜から活性炭をつくることに成功しました.その製法は粉状の活性炭の製造につながり,それまで原料として使われていた骨にとってかわりました.


活性炭の本格的製造は第一次世界大戦中のことです.この戦争で毒ガスがはじめて戦術的に使われたのは有名な話ですが,その際に使用するガスマスクに粒状の活性炭が必要とされました.

東部戦線における毒ガス攻撃 Bundesarchiv, Bild 183-F0313-0208-007 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5433149

第一次世界大戦後の1929年には粒状(0.5-3 mm)の活性炭がドイツのHammで,1930年にはアメリカのミシガン州で浄水に使われます.同じく1930年にニュージャージー州では粉状(0.02-0.05 mm)の活性炭が浄水に使われ始めました*3当時の活性炭はまだまだ吸着能が低かったのですが,その後より硬く,吸着し,再利用が可能な活性炭の開発が進められました.


1970年代半ばごろは農薬や産業廃棄物による水道水の汚染が問題となっていましたので,活性炭による有機化合物の除去は非常に注目をあつめるようになりました.

3.活性炭による有機物の除去

活性炭による浄水のしくみについて,もう少し詳しくみてみましょう.

原水中に含まれる生物難分解性の有機化合物は,こういった活性炭中の細いトンネルに入っていき,その表面に吸着することで取り除かれます.分子量の小さいフェノールや臭気ガスなどの分子は拡散速度が早いので活性炭内部にすぐに入っていき吸着除去されます.この場合,活性炭層は薄くても問題ありません.一方で分子量の大きいフミン質・界面活性剤などは活性炭内部になかなか入っていかないので,活性炭層を分厚くする必要があります.ヨーロッパでは4 m超えが常識のようです.
【参考】水(2):ろ過の歴史


活性炭への吸着しやすさは,有機化合物によって異なります.例えばTraubeの法則*4によれば,炭化水素の鎖が長くなればなるほど活性炭に吸着しやすくなります.


また有機化合物の活性炭への吸着は,周囲の環境にも影響を受けます.

有機化合物は中性分子の場合にもっとも効率が良くなるため,水のpHが重要です.例えばフェノールはpH8以下では中性分子PhOHとして存在するため活性炭によく吸着しますが,pH10以上だとPhO-となり活性炭から離れてしまいます.

また,水中の金属イオン濃度によっても有機化合物の吸着性が変化します.例えば水中にCaCl2を加えるとフルボ酸の吸着率が上昇することが知られています.おそらくは負に帯電したフルボ酸とCa2+錯体を形成し,活性炭に吸着しやすくなるからだと考えられています.


有機化合物を吸着しやすくする方法として他に,事前に凝集剤である硫酸アルミニウムAl2(SO4)3を加える手法があります.凝集した有機物は活性炭に吸着されやすくなるのかもしれません.また,経験則的に事前にオゾン処理しておくのが有効であることもわかっています.これらを組み合わせることで活性炭で効率的に有機化合物を取り除くことができます.
【参考】浄水(1):にごりをとるには?

4.活性炭表面の状態

このような活性炭による有機化合物の除去効率は,活性炭表面の状態に大きく依存します.


炭を活性化する際,表面は水蒸気や二酸化炭素,酸素により酸化されます.800-1000℃の高温で活性化した場合は塩基性酸化物で覆われます.表面についてはおそらく図のような構造があるのだろうと考えられています.

このような塩基性酸化物で覆われた活性炭H-carbonは芳香環をもつ酸性物質二酸化炭素を吸着しやすいという特徴があります.例えばフェノールはカルボニル基R2C=Oを有する活性炭に吸着されやすいです*5


200-400℃の低温で活性化した場合,表面は酸性酸化物で覆われます.特にこのような活性炭をL-carbonと呼ぶことがあります.具体的には以下の図のような構造がみられます.

このような酸性酸化物で覆われた活性炭は塩基性物質を吸着しやすいという特徴があります.例えばアンモニアがよく吸着します.
 \mathrm{-COO^{-} + NH_4^{+} \longrightarrow -COO^{-}NH_4^{+} }


ちなみにこの状態で高温で加熱すると,脱水反応が進行して官能基を変換することができます.
 \mathrm{-COO^{-}NH_4^{+} \longrightarrow -CONH_2 + H_2O \longrightarrow -CN +2H_2O }

同様に,-OH基を-NH2基に変換することもできます.
 \mathrm{-OH + NH_3 \longrightarrow -NH_2 + H_2O }

このように窒素を含む官能基で修飾された活性炭は,塩基性酸化物で覆われたH-carbon同様に芳香環をもつ酸性物質や二酸化炭素を吸着しやすいという特徴があります.そのため,わざとアンモニア処理して活性炭の吸着能を調整することもできます
【参考】水(5):ガスを追い出すには?


さて,塩素Cl2過マンガン酸カリウムKMnO4過酸化水素H2O2,硝酸HNO3などで処理した場合は表面に酸性酸化物が生じます.


遊離残留塩素について考えてみましょう.pH6.6以下では遊離残留塩素はHClOが中心です.HClOと活性炭は以下のように反応します.結果としてより酸性にかたむきます.活性炭の炭素をC*,酸化された炭素をCO*と表します.
 \mathrm{ C^{*} + HClO \longrightarrow CO^{*} + H^{+} + Cl^{-} }
【参考】浄水(3):ろ過や塩素による消毒
【参考】浄水(4):いろんな消毒方法


pH8.6以上では遊離残留塩素はClO-が中心です.今度はH+は放出されません.
 \mathrm{ C^{*} + ClO^{-} \longrightarrow CO^{*} + Cl^{-} }


今度は結合残留塩素であるジクロラミンNHCl2との反応を考えてみましょう*6.反応により窒素が生じます.
 \mathrm{ C^{*} + 2NHCl_2 + H_2O \longrightarrow CO^{*} + 4H^{+} + 4Cl^{-} + N_2 }

アンモニアが過剰な場合は下記反応も進行します.
 \mathrm{ NH_4^{+} + 3NHCl_2 \longrightarrow 2N_2 + 7H^{+} + 6Cl^{-} }


このように,活性炭は残留塩素により酸化されます.見方を変えると,活性炭により残留塩素を取り除いているとも捉えられます.遊離残留塩素HClOの場合と比較すると,結合残留塩素であるNHCl2の場合は同量の活性炭が酸化される際に4倍の残留塩素が取り除かれていることがわかりますね.

5.微生物による分解

さて,これまでみてきたように活性炭単体でも有機物を除去してくれるのですが,微生物の力を借りるともっと有効活用することができます.


生物活性炭は活性炭に硝化菌などを付着させたものです.水中のアンモニアは硝化菌によって亜硝酸イオンNO2-硝酸イオンNO3-に変換されます.これにより,殺菌塩素処理などが楽になります.
 \mathrm{ 2NH_4^{+} + 3O_2 \longrightarrow 2NO_2^{-} + 4H^{+} +2H_2O }
 \mathrm{ NH_4^{+} +2O_2 \longrightarrow NO_3^{-} +2H^{+} + H_2O }



また,硝化菌はゲオスミン*7などの分解速度の遅い臭気物質も分解してくれます.このように生物活性炭に住み着いている硝化菌は一旦吸着した窒素化合物をゆっくりと酸化・分解してくれるので,自己再生機能を発揮しながら長期間の運転継続が可能になります.


細菌による有機物分解においても事前にオゾン処理しておくことが有効です.分子量の大きい有機化合物は細菌によって分解されにくいのですが,オゾン分解や酸化によって小さな有機化合物に変換されることで分解されやすくなるようです.また,オゾンの反応により生じた酸素が細菌の増殖を助けるという側面もあるようです.


下水・廃水処理においては,微生物がもっと積極的に活用されます.


水処理に使われる微生物には,好気性微生物と嫌気性微生物がいます.好気性微生物は酸素の存在下で好気呼吸を行い,嫌気性微生物は酸素がなくても呼吸を行うことができます.それぞれで化合物の変換に違いがあります.グルコース代謝反応でいえば,好気性では
 \mathrm {C_6H_{12}O_6 + 6O_2 \longrightarrow 6CO_2 + 6H_2O }

となる反応が代表的ですが,嫌気性では以下の反応が代表的です.
 \mathrm {C_6H_{12}O_6 \longrightarrow 2C_2H_6O + 2CO_2}


ある種の好気性微生物はアンモニアを酸化することができます.
 \mathrm {3NH_3 + 3O_2 \longrightarrow 2HNO_3 + 2H_2O }

一方で,嫌気性微生物では硝酸を窒素に変換することができます*8
 \mathrm{2NO_3^{-} + 5H_2 \longrightarrow N_2 + 2OH^{-} + 4H_2O }


好気性微生物による処理と嫌気性微生物による処理は,撹拌して空気をまぜこむか,遮断するかである程度制御することができます.

6.微生物活用の歴史

ドイツでは19世紀後半の第二次産業革命の間に重工業が発達し,ヨーロッパの主要工業国にのしあがりました.一方で河川の汚染も激しく,ルール工業地方などにおいて水質保全が課題となっていました.この地方に流れるエムシャー河では汚物が氾濫するなどひどい有様だったようです.

Karl Imhoff (1876-1965) By Klaus Imhoff - Own work (Familienfoto), CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3576350

このような問題を解決すべく,ドイツの技術者カール・イムホフ (Karl Imhoff, 1876-1965)イムホフタンクを開発します.イムホフタンクでは,汚泥を嫌気性細菌によって分解させていました.分解された消化汚泥は臭気が少なく,天日乾燥で処理されていました.

イムホフタンク By Karl Imhoff - Karl Imhoff, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=3592363

微生物による水処理というアプローチは,やがて付着増殖型の生物処理法へと発展します.この方法ではろ過層や平板の表面にスライム状の好気性微生物の層を付着させ,空気を送り込み好気性微生物の働きによって有機物を分解させ,二酸化炭素アンモニアを放出します.アンモニアはさらに亜硝酸イオンNO2-,硝酸イオンNO3-へと酸化されます.
 \mathrm{ 2NH_4^{+} + 3O_2 \longrightarrow 2NO_2^{-} + 4H^{+} +2H_2O }
 \mathrm{ NH_4^{+} +2O_2 \longrightarrow NO_3^{-} +2H^{+} + H_2O }


微生物はこのように有機物を分解しながら同時に増殖し,好気性微生物の層がだんだん分厚くなっていきます.すると層の内部まで酸素が届かなくなってしまい,微生物層内部では嫌気性の発酵が進みます.これにより有機物は有機へ,硫黄はくさい硫化水素へ,硝酸イオンは窒素ガスに変換されます.こうなってくると好気性微生物層は異臭を発生し,はがれやすくなってしまいます*9


付着増殖型の生物処理法は1890年代にアメリカ,イギリス,ドイツで研究され,1900年代はじめに広く世界的に用いられるようになりました.一方,1910-20年代からは浮遊増殖型活性汚泥法の開発が進みます.


活性汚泥法では,2-5 mmほどの微生物のかたまり(フロック)がたくさん浮遊しているところに有機廃水を流入させ,有機物がこれにくっついてとりこまれます.微生物フロックには細菌や真菌,鞭毛虫や繊毛虫などの原核動物が含まれています.活性汚泥法ではこの微生物フロックの安定な形成がポイントとなります.


微生物フロック内の反応は大きく3つあります.
1つ目は取り込まれた有機物C6H12O6は,酸化分解され微生物が成長エネルギーを獲得する反応です.
 \mathrm {C_6H_{12}O_6 + 6O_2 \longrightarrow 6CO_2 + 6H_2O  \tag{1}}

2つ目は有機物(CH2O)nと窒素化合物(例えばNH3)を使って細胞(C5H7O2Nと表しましょう)が増殖する反応です.
 \mathrm {8(CH_2O)_n + 3nO_2 + nNH_3 \longrightarrow nC_5H_7O_2N + 3nCO_2 + 6nH_2O \tag{2}}

3つ目は微生物群が自己酸化して分解する反応です.
 \mathrm {C_5 H_7 O_2 N + 5O_2 \longrightarrow 5CO_2 + NH_3 + 2H_2O \tag{3}}

これらの反応によって,有機物が取り除かれます.


活性汚泥法の原理は1912年アメリカのローレンス下水実験所で発見されたのち,イギリスのマンチェスターで繰り返し実験され,1916年にウスターで活性汚泥法による処理場が稼働し始めました.日本では1930年に名古屋で稼働し始めています*10.1950年代からは世界的に,主な下水処理法として採用されるようになりました.

7.まとめ

活性炭による吸着も思ったより奥が深かったですね.微生物についても,いろんなバリエーションがありました.


下水処理施設など見学する機会がありましたら是非チェックしてみましょう.


次回は化学反応によって硬水を軟水に変化させる方法について見てみましょう.


問題

Q. 式(1), (2)について,有機物をいずれもCxHyOzとした場合に係数を変化させて化学反応式を書いてみましょう.


A. 以下の通り.
 \displaystyle { \mathrm {C_xH_yO_z + (x+ \frac{y}{4} - \frac{z}{2}) O_2 \longrightarrow xCO_2 + \frac{y}{2}H_2O  }}
 \displaystyle { \mathrm {nC_xH_yO_z + n(x+ \frac{y}{4} - \frac{z}{2}-5) O_2+nNH_3 \longrightarrow (C_5H_7NO_2)_n + n (x-5) CO_2 + \frac{n}{2} (y-4)H_2O  }}

参考文献

Chemistry of Water Treatment, 2nd edition” S.D. Faust and O.M. Aly (1998).
”MWH's Water Treatment: Principles and Design, 3rd edition" J.C. Crittenden, et al. Wiley (2012).
"Water Quality and Treatment, 5th edition" R.D. Lettermen, The American Water Works Association (1999).
”The Quest for Pure Water" M. N. Waker, The American Water Works Association (1948).
"Carbon surface functionalities and SEI formation during Li intercalation" Carbon 92, 193-244 (2015).
"Humus chemistry : genesis, composition, reactions" F.J. Stevenson, Willey (1994).
『都市・地域 水代謝システムの歴史と技術』丹保憲仁,鹿島出版会 (2012).
『絵で見る下水道と下水処理の歴史』申丘澈,佐藤和明,技報堂出版 (2010).
『水処理工学〔第2版〕: 理論と応用』井出哲夫,技報堂出版 (1990).


目次 - 化学と歴史のネタ帳

*1:あまり馴染みがないかもしれませんが,二酸化炭素も酸化剤として働くことができます.

*2:当時,水の保存には少し硫酸を加えるのが良いとされていました.

*3:もともと粉状の活性炭は1920年代にシカゴで食肉包装業者が水の異臭・異味を取り除くために使用していました.

*4:1894年に次亜塩素酸カルシウムCa(ClO)2による水の消毒方法を考案したドイツの化学者Isidor Traube (1860-1943) です.

*5:塩基性酸化物そのものというよりは,グラフェンの非局在化したπ電子によるものと考えられています.

*6:モノクロラミンも同様に反応しますが,反応速度は遅いようです.

*7:雨が降った時の土のにおいです.

*8:化学反応式では,水素供与体からの供与をH2で表しました.

*9:このような反応は水田の土層でも起きています.日本の水田地帯でヨーロッパの畑地のように硝酸塩が生じにくいのはこのためだと考えられます.

*10:ちなみに名古屋では消化汚泥を天日乾燥・火力乾燥させたのち,名古屋産活性汚泥肥料として販売されました.