2024年3月16日,当ブログの記事をもとに加筆修正し,本を出版しました!
本記事では世界初の記載も含む,本の内容を紹介します.追加の無料ダウンロードコンテンツもあります.
続きを読むこのたび,欧米圏の代表的な化学史(+錬金術史)研究の定期刊行誌Ambixに私の論文「Harpsichord Wires as Multifaceted Materials in Scientific Experiments from the Eighteenth to the Nineteenth Centuries」が掲載されました!
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00026980.2025.2598102
一言で言えば,「チェンバロという鍵盤楽器に用いられていた弦は18世紀から19世紀にかけて様々な科学実験に用いられていたよ」という論文です.そしてそれが,分析化学における標準物質の成立にも大きく関わっていたのです!
今回はその論文のご紹介です.
続きを読むこのたび,化学史学会の学会誌『化学史研究』に私の論文「明治期の訳語選定事業における「翻訳の文化」 ―bondの訳語「価標」を例に―」が掲載されました!

一言で言えば,「化学用語の訳語を統一する過程では,翻訳に関するいろんな考え方が戦っていたよ」という点について,bondの訳語「価標」に注目してみた論文です.
今回はその論文のご紹介です.
続きを読む「酸をH+を供与するもの,塩基はH+を受容するもの」という定義は,1923年にブレンステッドとローリーが独立に発表しています.
彼らは,なぜそのような定義をしたのでしょうか?

今回は私の論文をもとに,ブレンステッドとローリー,それぞれについて酸塩基の定義を思いつくに至った経緯を探っていきましょう.
【参考】論文発表のお知らせ:ブレンステッドからミカエリスへ
「酸をH+を供与するもの,塩基はH+を受容するもの」という定義は,ブレンステッドによる定義として習います.しかしブレンステッドははっきりと,H+に注目した酸塩基の定義は生化学者ミカエリスによるものだと明記しています.
ミカエリスの酸塩基理論とは,一体どういったものだったのでしょうか?

今回は私の発表した論文をもとに,ミカエリスの半生とともに,その酸塩基理論の正体を探っていきましょう.
【参考】論文発表のお知らせ:ブレンステッドからミカエリスへ
「酸とは水溶液中でH+イオンを与えるもので,塩基は水溶液中でOH-イオンを与えるものである.」という定義は,アレニウスの定義として習うものです.
この定義は,本当にアレニウスが提唱したものでしょうか?実は彼は生涯にわたって明確に酸塩基の定義をしたことはありません.

今回はアレニウスの業績を確認しつつ,アレニウスの定義と呼ばれるようになった経緯を探っていきましょう.
化学の教科書を読んでいて,「そういえばこの用語ってどんな経緯で生まれたんだろう?」とか,「この表記法って昔からこうだったのかな?」とか思ったことはありませんか?
実は2024年1月から,こうした疑問に対して化学史の側面から調査するワーキンググループ,「日本版Ask the Historian」を立ち上げ,活動を始めています.
今回はその内容について,ちょっとだけご紹介します.
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