化学と歴史のネタ帳

身近にひそむ化学と歴史を,高校までの知識をベースに解説する化学史系ブログです.

滴定の歴史(2):中和滴定と水素イオン濃度

滴定を行う上では,中和反応がどこまで進行したかをモニターし続けることが大事です.


有名なのは紫キャベツの煮汁やリトマス試験紙の色変化ですが,他にはどんな方法が活用されてきたのでしょうか?

今回はpHメーター開発以前のモニター方法について,原理とともに見ていきましょう.

続きを読む

滴定の歴史(1):中和滴定の誕生

化学工業が発展した18世紀以降,酸やアルカリの量を知ることは原材料の品質を調べるうえで非常に重要でした.中でも中和反応を利用する中和滴定は未熟練者でも使える画期的な方法でした.


理科実験でお馴染みの中和滴定は,どのように誕生したのでしょうか?

By UCL - Flickr, CC BY 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=45263025

今回は水質調査や硝石産業などと関わりに深い中和滴定の成立過程の歴史を見てみましょう.

続きを読む

酸の歴史(9):フッ化水素酸

フッ化水素酸はガラスを溶かすことのできる酸として非常に有名です.


フッ化水素酸はどのように発見されたのでしょうか?

パリ万博(1867年)で優勝した,酸エッチングを活用したガラス作品 By Andre Carrotflower - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=116226404

今回はフッ化水素酸の危険と向き合い,これを利用してきた化学の歴史を見てみましょう.

続きを読む

酸の歴史(8):リン酸

リン酸は昔,骨から作られていました.


一体どのような方法だったのでしょうか?今はどのように製造されているのでしょうか?

1870年頃の骨灰工場 "Les merveilles de l’industrie, ou Description des principales industries modernes, vol. 3" p.537

今回はリン酸製造法について,リン酸活用法の歴史とともに見ていきましょう.

続きを読む

酸の歴史(7):塩酸

塩酸はかつて「海の酸」とも呼ばれました.


なぜそのように呼ばれたのでしょうか?

13世紀頃から行われているアドリア海での製塩 (スロベニア)

今回は塩酸の製造方法がどのように変化してきたのか,見てみましょう.

続きを読む

酸の歴史(6):オストワルト法

硝酸合成法は色々と開発されてきましたが,波に乗ることが出来たのはアンモニアを酸化するオストワルト法です.


オストワルト法はどのように誕生したのでしょうか?そもそもオストワルトはどんな人なのでしょう?

ファント・ホッフ(左)とオストワルト(右)

今回はオストワルト本人を主人公に,オストワルト法誕生の経緯と,そのしくみを見ていきましょう.

続きを読む

酸の歴史(5):硝酸と硝石

硝酸は高い酸化力をもつユニークな酸です.


硝酸にはどのような歴史があったのでしょうか?

チリ硝石 By John Sobolewski (JSS) - http://www.mindat.org/photo-548175.html, CC BY 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=29139370

硝酸塩である硝石や空気中の窒素から作られた硝酸製造法の歴史を見ていきましょう.

続きを読む

酸の歴史(4):染料と接触法

長い間使い道の少なかった発煙硫酸は,合成染料の登場により一気に品薄になりました.


さらなる染料産業の発展のためには発煙硫酸の価格を安くする必要があります.そうして誕生したのが接触法です.

アリザリン

今回は染料産業の事情を通じて,接触法誕生の経緯としくみを見てみましょう.

続きを読む

酸の歴史(3):鉛室法の発明

18世紀,鉛室法の登場によって硫酸が大量に製造されるようになり,漂白など様々な用途に使われました.


鉛室法とはどんな方法なのでしょうか?

鉛室法

19世紀の化学工業を語る上で外せない,鉛室法のしくみと歴史を見てみましょう.

続きを読む